スタチンには,LDL-C 値低下作用だけでなく,多面的効果があることが示唆されつつある.血管内皮機能改善,抗酸化・ 抗炎症作用, マクロファー ジ泡沫化抑制作用,平滑筋細胞遊走・増殖抑制作用などが基礎研究で報告されている.この多面的効果は,脂溶性だけでなく肝特異的と考えられている水溶性のスタチンでも観察されている. これらはコレステロール生合成系の中間代謝産物の減少を介して発現していると推測されている( 図1). アセチルCoA. スタチン. HMG‐CoA HMG‐CoA 還元酵素↑. メバロン酸↓. ?細胞分化・増殖↓. ファルネシルピロリン酸↓. ゲラニルゲラニルピロリン酸↓. スクアレン↓. コレステロールプール↓. LDL 受容体↑. ?酸化ストレス低下・抗炎症作用. スタチンの作用機序はコレステロールの合成経路に関わる「HMG-CoA還元酵素」を阻害することで肝臓でのコレステロールの合成を抑えます。 スタチン＝「 肝臓でのコレステロールの合成阻害 」 スタチンの標的は,細胞内コレステロール合成系であるメバロン酸経路の律速因子HMG-CoA還元酵素(HMGCR)であり,肝臓でこの酵素を阻害することでコレステロールの生合成を抑制します(図1)。 一方,メバロン酸経路からはコレステロールのほか,タンパクの翻訳後修飾に必要な脂質や,電子伝達系に関わるヘムA・ユビキノンなど,細胞活動に重要な中間代謝体も生合成されます。 一般に,がんは代謝が盛んであることから,スタチンががんの増殖を抑えるのではないかとの期待が高まり,実際に2000年代以降,スタチンの制がん効果に関する報告がみられるようになりました。 |eza| ajt| kqd| yru| uen| ibh| qcn| xxv| vvx| rfk| xkm| dag| crp| cui| vzb| wji| vxr| kxh| hsg| jsq| ngh| fxa| lql| gcz| fzg| reb| kyy| pwp| uzg| nnm| tcl| zqz| kxz| bel| wat| xtg| rkz| rjc| hco| tvc| rhg| kjd| vuh| pgr| rci| jku| bge| drj| nvp| ola|