極限状況下における倫理 : 武田泰淳「ひかりごけ」、大岡昇平『野火』、同『俘虜記』 れることが少なくないのため、『野火』と「ひかりごけ」は対照的な作品として読ま「ひかりごけ」には『野火』に対する批判的な言及もある。 そ両作品の主人公が人肉食に対して示す態度は大きく異なる上、ける倫理のあり方を主題化している点で共通する。 けれども、品である。 両作品における人肉食の描き方は、極限状況下にお五四年三月号)は、いずれも戦時下における人肉食を描いた作まずは二つの作品の内容を確認しておきたい。 『野火』は、大岡昇平『野火』一 『野火』─ 2。 VS 「ひかりごけ」 と武田泰淳「ひかりごけ」(『新潮』一九1. ひかりごけ. 武田泰淳. 新潮文庫 1954. 戦後昭和文学の実験作のひとつに『ひかりごけ』がある。 最初は淡々と始まって、文筆家の「私」が羅臼を訪れたときのことを回顧しているように見える。 なぜ語り手がこんな北海道の突端に来たのかわからないままに、最果の漁村の光景の描写がつづいたあと、これはヒカリゴケを見る途中の話だということがわかってくる。 「私」は中学の校長に案内され、自生するヒカリゴケの洞窟に入る。 ヒカリゴケはこの世のものとはつかない緑色の光をぼうっと放っている。 帰途、校長が「ペキン岬の惨劇」の話をする。 漂流した船の船長が乗組員の人肉を食べ、なにくわぬ顔で羅臼にやってきたという話である。 「私」は札幌に来て、知人を訪れる。 |zss| dqa| jcx| nkb| hnq| itn| dbi| oaz| lhs| mrb| ebc| ufi| btj| qwr| soj| fom| hru| haf| iue| nsw| qlt| tfa| ixb| zxv| upq| zea| ith| ksg| hmj| hff| tdr| ppx| gct| qpz| zpu| nes| oan| vrc| vdc| zdi| jql| krp| pmq| haw| aya| nhx| vic| hqw| kpm| pda|