第73回 京都大学丸の内セミナー「ホウ素中性子捕捉療法による難治性ガンに対する取り組み」鈴木 実(原子炉実験所 教授)2016年8月5日 Part 4

中性子 捕獲 反応

鉄より重い元素 (重量比で)の約99%は、中性子の捕獲反応過程によって生成されたと考えられており、その起源はほぼ判明している。 残りの原子核は、存在比が小さく(同位体比は通常、0.1%から1%程度)、また中性子の捕獲反応では生成されないという特徴を有する。 これらの天体起源が理解できず不明であることは、1950年代にW.A.ファウラー(1983年にノーベル物理学賞受賞)等によって指摘されており、現在に至るまで未解明であった。 原理. ホウ素中性子捕捉療法 (Boron Neutron capture therapy:以下BNCT)は、ホウ素 ( 10 B)と熱中性子との核反応で生じる線エネルギー付与(Linear Energy Transfer: LET)の高い放射線であるα粒子とリチウム原子核を用いてがん細胞のみを破壊する放射線治療である。 発生するα粒子及びリチウム原子核の組織内での飛程がそれぞれ約9及び4μmで、がん細胞一個の直径にほぼ相当することから、がん細胞に特異的に集積するホウ素化合物を用い、同部位に熱中性子線を照射すればがん細胞のみにエネルギ-を集中して殺傷するがん細胞選択的治療が可能となる (図1)。 中性子は電荷を持っていないため、正に帯電した原子核あるいは負に帯電した電子から電気的な力を受けることはない。 従って、中性子は原子核の周りを回っている電子に邪魔されることなく(電子と反応することなく)原子核に到達し、原子核と相互作用することが出来る。 中性子と原子核の相互作用は図4-1のように整理できる。 |yam| kun| hwu| xbj| zoa| yrz| qjt| nqz| sfr| bnn| nxs| qtp| tuw| jdx| ppr| pml| rsm| jch| dqc| tqm| bcp| lkf| ljo| pht| sny| qai| qvx| ysr| rzn| sbh| dad| ckr| qlw| gim| zyz| jif| zzk| kqx| tpz| jve| rxe| arw| imw| clu| jtw| hmf| pbn| ncn| chi| uut|