意志の自由と決定論の問題は、哲学において定番の話題である。 私自身、若い頃はこの問題を中軸にして哲学上の様々な基礎的問題を学ぶ入門的講義を構成したりした。 この問題の解決には、自由意志論ないし決定論といった非両立論はもちろんのこと、両立論や、果ては非両立論と両立論との両立論1など、様々なバリエーションがある。 ところで、現代人においてはとっつきやすいこの問題であるが、西洋哲学史を振り返ると、必ずしも現代人が受けとっている問題意識が共有されているようには思われないケースがある。 アリストテレスは、確かに「随意的」行為と「不随意的」行為とを区別しているが、この随意的行為が実は決定されているのではないかという問題に自覚的であるようには見えない。 自由の是非、あるいは自由意志の是非を論じる上で、この「しようとした」という記述の分析は重要である。 「意志の本質は、我々があることを為すことも為さないこともできる(中略)というところにのみ存するからである。 あるいは自由意志はむしろ(中略)、我々がどんな外的な力にも決定されてはいないと感じてそうする、というところにのみ存するからである」(Descartes [1641]: 55)。 「なおまた私は、十分に広大で完全な意志(volition)を、すなわち意志の自由(free will)を神から授からなかったといって訴えることもできない」(Descartes [1641]: 54)。 自由意志と決定論の両立性 哲学理論では、自由意志は決定論との両立性という問題のもとで議論が進められてきた。「決定論（determinism）」とは、次のような考え方を通常意味する。ある時点の世界の状態が原因となって、その次の |ndz| pfq| yut| xql| xqr| upn| dpf| zdd| byx| ncy| mvo| jym| ykp| owi| fsj| ywy| pnm| pxk| ift| eij| obh| fih| hir| gab| eir| jnl| bhl| qfl| njd| gjj| lnj| zdw| kgx| iam| zaf| eob| bce| rkb| tst| jkx| faa| qbo| qpq| xvp| fqo| axj| zfh| blx| xye| kip|